インタビュー:同志社大学
同志社大学 中谷様 インタビュー:Biography Resource Center
2006年10月13日
同志社大学図書館にて
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今までは冊子体の人名録を揃えてこられたと思いますが、
Biography Resource Center(以下BRC)を導入されることになった
きっかけを教えていただけますか?
まず、オンラインで使う場合の利便性が高いことがありました。冊子体の情報は版が変わらない限り更新されることもありません。それに冊子を使って調べると、置いてある場所まで行って、重い図書を取り出して、ページをめくっていく手間もかかります。オンラインだと、いつでもどこでも使えるというメリットが大きいですね。
図書館に人物情報を検索できるデータベースは必要だと思われますか?
はい、大学図書館にとって、とても重要なデータベースだと思います。
実際に利用されている先生方や学生さんの評判はいかがですか?
利用統計ログを見てみると、使われている様子がわかります。
私自身も、いろいろな調査に使わせていただいいます。
-ありがとうございます。
画面の使いやすさはいかがですか?
BRCは、英語による情報なので、学生の利用度は低くなりがちです。日本語のデータベースもありますが、それでは、搭載されているデータは、日本人が主になってしまいますから、やはり、両方のデータベースをうまく使い分けてほしいと思います。BRCの場合、今後検討してほしい点としては、日本語のインターフェイスです。現状のインターフェイスが英語なので、初年次の学生への親しみ易さがあれば良いかもしれません。また、授業などで積極的に使うように指導があれば良いですね。日本語のインターフェイスはお考えですか?
-はい。日本語のインターフェイスと、日本語を含む8ヶ国語への翻訳機能が近い将来可能になります。
日本語のインターフェイスや、翻訳機能は絶対必要だと思いますね。やはり、英語が得意な学生ばかりではありませんから、出版社側も、データベースを効果的に利用してもらおうとするのであれば、高い位置からではなく、少し下りた視点でユーザーのサポートをする姿勢が大事ではないでしょうか?私達であっても日本語と英語の情報が両方あれば、無意識に日本語を読んでしまいますから。
-おっしゃる通りだと思います。ご意見ありがとうございます。
データベースの利用方法について学生さんからご質問を受けられることはありますか?
WEBベースの情報検索のツールですから、最初の一歩から説明が必要というのは、さほどないと思います。本学では講習会は積極的に行っていますから、関心ある学生に対しては、こういう機会で、さらに詳しい使い方も説明できます。
BRCの収録範囲についてはどう思われますか?
私が、まだ図書館に配属されて間もない頃、どんなデータベースかと思って、最初に試して使った時のことなので、覚えているのですが、"Randy Bass(ランディ・バース)"を調べてみたんですね。そうしたら、なかなか詳しいところまで記載されていて感心しました。ただ、実は、バースの日本での所属チームが、「阪神タイガース」ではなく、「本州タイガース」だったのです。
国が違ってしまうと、こうした細かな部分まで全てカバーすることは難しいのでしょうか。でもだからといって、英語のデータベースが当てにならないというつもりはないんです。むしろ、日本語で日本人が書いた人物情報の場合であれば、同様に、海外の人物に関する認識については誤りが生じる場合もあるでしょう。だから、英語圏の人物については、英語のネイティブが書いたデータベースからのほうがより正確な情報を得られるかもしれないですね。
そういう意味では、私としては、学生に英語と日本語のデータベースを上手に使い分けてほしいですね。逆に、載っていなかったのが、本学の創始者の新島襄です。他大学で載っていた創始者もあったので、本学としては残念でした(笑)。
-失礼しました。新島襄氏については、アメリカ本社に早速リクエストします。また、今後こういう人物を取り上げてほしいというご要望があれば、是非お知らせ下さい。
個別にリクエストを挙げるのは、なかなか難しいと思うんですけど、例えば、日本の高校の社会の教科書に載っている人物レベルについては網羅する、というような取り組みをしていただけると嬉しいですね。
BRCの検索機能についてご意見があればお聞かせ下さい。
機能的な問題として挙げられることは、綴りを正確に知らないと検索できないことです。他のデータベースでたまに見かける機能ですけれど、間違って入力した場合、ある程度、正しいスペルを推測して返してくれる機能があります。ああいった機能があるとありがたいですね。
-ご意見ありがとうございます。検討してみたいと思います。
一つの解決策として、綴りがわからない場合や名前が不確かな場合は、
"Biographical Facts Search"という検索方法を利用して、
国籍や職業などを設定することにより、ある程度絞り込みをかけることができます。
詳しくは以下のページをご参照下さい。
"Biographical Facts Search"について
オンラインデータベースを広く学内で利用してもらうために、図書館で特に工夫されていることがあれば教えていただけますか?
利用案内のパンフレットを配布したり、データベースを紹介するホームページも設置して工夫しています。やはり、利用度が顕著に表れるのは、日本語の新聞データベースですが、BRCのような英語データベースも、語学の授業などで、先生が教材として使用してもらえれば利用度が見込めるでしょうね。
同志社大学さんでは、契約しているデータベースの利用統計をもとに、1サーチあたりの金額を計算するなどして比較検討されていらっしゃるとお伺いしていますが、BRCの利用度は全体的に見ていかがですか?
BRCは、英語のデータベースの中では健闘しています。ただ、どうしても日本語のデータベースのほうが利用度が高いですから、BRCの利用度がもう少し上れば図書館としては嬉しいですね。
-今後、弊社としても、利用度を上げるためのお手伝いとして、いろいろご提案していければと思います。
図書館としてはBRCをどのように利用してほしいと思われますか?
日々の調べ事に使うのはもちろんですけど、それにプラスして、学生さんには教養を高めるような使い方をしてもらえれば思っています。使われている英語もそれほど専門用語が多用されていないようですから、ちょっとした空き時間の読み物として、またリーディングの自習教材としても利用してもらう使い方もあるかと思います。何よりも、人物情報に関するデータベースですから、自分の専門分野に関わる人物を検索して、学習や研究に関する知識を深めるということに使ってほしいですね。
今後、人物情報のデータベースの導入をご検討されている大学の図書館に向けてメッセージをお願いできますか?
搭載されている情報の質や量、それにインターフェイスが使いやすく設計されているかは当然ですが、その他、利用者に効果的に使ってもらうため、適切なアドバイスをデータベースの提供元や取次店からいただけるか、というのも重要なポイントだと思います。普段使っていて感じる疑問点や要望に対して、迅速かつ的確に対応していただけると、安心感や製品の信頼性が増します。BRCの場合は、センゲージ ラーニングの担当様にご来校いただいてお話を聞くことができる機会が多いので助かっています。あと一般的な話になってしまいますが、大学図書館でのデータベース導入の場合、教育目的や効果を総合して考えて導入することが大事ではないかと思います。
-貴重なお話どうもありがとうございました。
<インタビュー後に>
-中谷さんが実際にBRCを利用して発見されたことをお話いただきましたー
<以下、黒字部分が中谷さん>
本名とペンネームのどちらで検索しても、変換される機能もあるようですね。例えば、小野寺章太郎で調べたら、石ノ森章太郎のページに飛ぶことができました。改名前の石森章太郎でも同様でした。
-BRCでは、複数の呼称を持つ人物の場合、"Also known as" という形で紹介をしており、基本的にどの呼び名でも検索できるようになっています。
平安・鎌倉仏教の代表的な開祖はBRCで検索することができました。ただ、臨済宗の栄西については、"えいさい"では調べられたのですが、"ようさい"では調べられませんでした。複数の読みがある場合は、カバーされていないこともあるようですね。芸術家関係のデータでは、荒川修作の人物情報や赤瀬川原平の記事も検索できたのは感心しました。
-はい。先程申し上げましたように、"Also known as" で紹介されていれば、その名も検索対象になります。しかしながら、栄西の"ようさい"という読みは網羅できていないようです。改善したいと思います。
また、日本の国籍をもつ人物は、現在約1200人がBRCに収録されています。これは今後、増やしていきたいと思います。もちろん、日本人に関しては、日本語の資料のほうが詳細な知識を提供してくれると思いますが、海外のデータベースで日本人がどのように描かれているかということと比較してみるのも、おもしろいかもしれません。
中国人の検索は難しいですね。例えば、毛沢東の入力スペルが分からないと検索できませんよね。孟子などもしかりです。
-そうですね。 これもインタビュー中にお話した"Biographical Facts Search"を利用していただければ、検索可能かと思います。例えば、毛沢東なら、国籍を"Chinese"にして、職業を"Political Leader" にすると、手がかりが見つかります。
最後に、要望として「今日の人物」みたいな項目があるといいですね。BRCの最初の画面には、"Spotlight On..."という項目がありますが。
-はい。"Spotlight On..."では、注目の人物を簡単に紹介し、そこから詳細情報にリンクできるようになっています。しかしながら、更新は毎日ではなく、週に1度程度です。
そうですか。毎日になるといいですね。その他には、コラムが更新されたお知らせや、追加人物の情報なども、随時、日本のユーザー向けに発信してもらえればより親しみが増すのではないでしょうか?
-はい。今後、いただいたご意見を参考に、できるだけユーザーフレンドリーなデータベースをご提供できるようにしていきたいと思います。またこのホームページを使って日本のユーザー向けの情報を発信していければ良いなと考えております。貴重なご意見ありがとうございました。
1987年 同志社大学法学部法律学科卒業後、
同志社大学に入社。
入社後は、主に教務関連業務に携り、
2005年に同志社大学図書館に異動。
現在は、資料収集業務を担当。
<図書館ホームページ>
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